終日の戯れ言。
終日せつりが書く、戯れ言が詰め込まれたページ。
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星の瞬き。
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救いとは
無邪気で無知であるくせに 刺し貫いた傷口に 愛をひとしずく与えるものだ 温かく沁み渡り 涙のように痕を残す どうして手放せよう 抱いたまま独りで生きていくなど 抉り獲られた心臓が まだアナタの手の中にある 締め付け身を切る情の名残は 棺の中まで道連れに たくさんの秘密と嘘と 軽率な愛の言葉 安い温もりに溺れるのは どちらだったのでしょうね 涙さえもエンターテイメントだった？ 斬り付け合う傷の痛みだけが 確かに残ったものだった だけど、ねぇ 空が美しい アナタに見せたい 月が綺麗よ アナタに会いたい 愛してるって アナタに伝えたい 世界がこんなにも痛いから アナタと一緒にいたい 世界がこんなにも優しいから アナタと一緒に生きていきたい 手を繋いで寄り添う温もり 愛ではなくてなんだと言うの 救いとは、ひとしずくの愛 それだけで溢れる程の 大きな愛を アナタに アナタが自分を赦せないなら 私が全部赦してあげる アナタが自分を愛せないなら 私が全部愛してあげる ひとしずくの愛は 星の色 星の輝き 揺れる星を見上げていた 独りの私 熱を持ったアナタの手が 私に触れたから 月にかかる虹のように 柔らかな光を含んだ未来を "When it is dark enough, you can see the stars." PR
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隠匿。
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私の言葉をかき消す巨人
耳を塞ぐまでもないのでしょう 押し付けられる贈り物を 有難がって積み重ねる 色んなものを捨てられて そうして死ぬのを待つのでしょう いつまで経っても外側にいて 曖昧な笑顔で揺れている 生を尊ぶのなら 私は一層氷のように 水の底に沈んだものは 空気がなくても構いやしない 目に触れる事もないでしょう 新しい地獄の始まりだよ 鮮やかに咲くのは誰の心か 呪いは花開くのか 激しさを増す嵐の中で ヒールを鳴らして顔を上げる 組み替えられていく記憶 天井を破ろうとする感情 目を閉じ抑え付けて守らなければ 足を踏み外し飛んでしまう そうして誤魔化しながら歩いてきて まだ手の中には宝物がある うんざりか？ 幸福の王子であれたなら 燕はどの子になるのだろう 殺したくないから暖かい場所へ 私も一人でいつか還るから いつか、気の遠くなる彼方 いつか、何もやり遂げられず 渦はうねりながら何度も私を 夜の高い場所へと誘う いつか、吐く息の白い日に いつか、澄んだ空の日に 星とは反対側へ落ちていくだろう |
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ゴールデンレコード。
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クジラの愛の唄は
冥王星から届くのか 海の中から眺めた月は どれ程美しいのだろう ステージの真ん中で 飛沫を上げる雄大な姿 門の閉じられる音 浮かぶはぐれ星 柔らかな雨音を 集めて微睡みに捧げよう 文字を追う視線が まだ見ぬ景色を探し出す 神様が与えてくださったの 青い呪いから解かれた心 前を向く恐怖 切なく求める醜悪さ 終わりのない苦しい幸せ 空を見よ 花の香りの空気 還っていく霞 誰かの生命になる露の燦めき 昇る煙の行方を知るか 繋がっていく光 尊い未来を繰り返す 楪の微笑み アナタの目が見ていたものは 傷を隠したまま歩く 涙をすくう指先から魔法 溢れる歌を褥に落とし込み 上げた瞳に映るのは 慰めに呼吸する星の寂しさ 雪の日に繋がって 桜をねだって歩いた 夏に揺れる髪の香りと 重ねた体温の秘密 そして蜂蜜の蕩ける様な 金木犀咲く月のおもて アナタに届くだろうか 冥王星の彼方から アナタに届いただろうか |
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雨の形。
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移る空模様の下で
独り立って前を向く 裸の足に打ち寄せる白波 傷口は綺麗な空気に晒される 胸元から立ち昇るのは 芳しい痛み達 硝子の燦めきが反射して 星々は歌うように 振り返る事は怖いから 隣でアナタに微笑んでいて欲しい 立ち止まる事は許されない お前ら皆に見せ付けなければ 風に揺れる花は散らないと思う？ 見えるものだけが全てなら ほら、見たいものを見せてあげる 天国の透ける空の色 刷いたような雲の白 見上げる事を忘れていたから 命の季節が逝ってしまう 吐き出した醜いもの達 欲張りで無様な女の体は 世界に赦されたようにそこにある 綺麗なままで愛されたい 綺麗なふりして笑いたい 足跡のない雪の上 光だけが描けるレース模様 妖精がつま先で舞う姿 私はそんなものにはなれないのだわ 小さな舞台の上で 強い眼差しで踊る演者 夜になって気付いてしまった 背負っていると思っていたのは 馬鹿な女の子だけだった 積み上げたものが崩れていって 笛の音が重なる夜空 天の川から降る雨は透き通り さそりの火は消えてしまいそう 睫毛に宿る綺羅星 手を伸ばす事も許されず 顔を上げて風を受け それは終わらない旅路 ただ還る日を待つ |
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羽化の季節。
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おはよう、恋心よ
いつか見た綺麗なもの そうして触れたのは 重ねられた手のひらの温度 こんなに熱いものでしたでしょうか 握り返す勇気だけ 私に赦された慈悲でした 名前を呼ぶ声の響きが 俯く胸の内に浮かび上がるのです 触れられた肌から伝わるのは 愛ではないと知っています 抑えつけられもしない 醜い自分を知るばかりでした 愛だなんて言葉はきっと 趣味の悪いネオンみたいで 脱ぎ捨てる事も出来ずに 交り合う時だけを求めるのです 知らない歌と思い出せない歌 無理矢理にも繋ぎましょう さよならの瞬間はいつだって辛いから 今夜も綴る言葉を探します 林檎の吐息の月灯り 朝露に濡れた太陽 その景色に共に在るのは 夢の中だけでしょうか 雲の明るさが眩しいばかり 手を伸ばしてしまいそう そうして触れたのは 臆病な海に沈む 眠る私の魂でした |
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