終日の戯れ言。
終日せつりが書く、戯れ言が詰め込まれたページ。
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アナタがいなくても季節は巡るのだという事。
人知れず燻る宝石
アナタの絶望は愛おしい 春は終わってしまったの 雨の色が濃く匂い立つ 夏の気配がもうそこにある 歓喜の季節が私を焦がす 怯える体は月を呼ぶ 囀る天使よ太陽を殺せ 始まりはアナタだった そして きっと 終わらせるのもアナタ 海原を渡る想い 私を殺す愛 雪崩落ちるように 毒の杯を飲み干したのを 巡った命の先で 歓びの内に知るでしょう でも ねぇ アナタがいない 最後のトドメが要る さぁ完膚なきまでに叩き潰せ アナタの手でどうか私を 愛おしく縊り殺して 明日を見ながらも もう 覚悟はとうに出来ている 温もりの記憶がこの胸に残るうちに 空を見上げられたら 赤ずきんは狼さんを食べちゃうのよ そして人魚姫は泡になる 積み重ねた空想の彼方 いつか世界に奪われる夢達 私はもうその場所にいる 生きる事は、きっと PR
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Mein schöne bestie.
狼のしなやかな躰
星座の浮かぶ夜 翼を背負うのならば 切っ先は澄んだ光を放つ 慈悲深い神様 もう奪わないで どうか 死は清くあれ いつかアナタにやってくる彼を 私が抱き締める特権を 喰むようにアナタの胸に 白いスノードロップ 零れたのは愛だったか 向日葵の瞳 瞬きすれば綺羅星が弾ける 獰猛な眼差しが輝く 激しく射抜く様に 全てを奪う愛 化け物を飼う心が 目指した先にあるもの 平らけく安らけく 君死にたまふことなかれ 殺す為に出逢ったこども 生を渇望する怒りを 我々は決して手放さない この命を削り尽くす それは祈りに似ている 金と空色の彼が 片腕をもがれた悪魔が 過去の呪いに囚われたまま 夢を見続けている そうして捨てさせてきた命 贖いは引き受けよう 千の針を余さず呑み込んで アナタを殺して赦してあげる 月だけが見ていると その瞳が言う この夜だけは泣いてもいいと 囁きは闇に消える 痛みに声を上げる間もなく 冷たい熱を孕んだまま アナタは前を向くだろう 空が堕ちてもなお ずっと飛んでいけるだろう 光を含んだ風が 花弁に宿る それは誰に手向けられる 進む道の傍ら 導くように 寄り添うように 微笑むように この世界は残酷で痛く そしてきっと優しいのだと ぬばたまの夜の森に燦爛と燃え そもいかなる不死の手の または眼の作りしや 汝がゆゆしき均整を 私の美しい獣 |
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Endless Night.
静かな死を
月に看取られるなら 降る星の導きが この手に届くなら 箒もいらない 夜に舞う 帷の下りた国で 優しい君を見付けたい この機関銃で闇を打ち抜き 新しい星座を おおかみの傍らに立つ 静寂の夜空の下 逢いに来て 切っ先に写るのは 美しい獣 アナタに与えられる事は 全てを奪われる事 夜に捧げるスノードロップ 慈しむ掌を握る もう何も背負わせない 私が最期に見た空は アナタの色をしていた 瑠璃の天にタンザナイトの吐息 アナタに会えないまま ここまで来たわ アナタに会えないまま ずっと歩いて行くわ いつか忘れることでしょう あの狂おしい激情が 今はこんなにも遠いと 独りの場所で思い出すでしょう それは私だけじゃない 星のこぼれる夜を歩く 朝に殺されるのを 月が愛おしそうに待っている 空が堕ちるなら それはきっと太陽の光の中 桃色の花びら舞う惑星に 生まれ変われるはず 冷たい夜を繰り返し アナタと二人慰め合う 大空の広さを語り 海原を見た鳥も この部屋の睦言は知らない 死を待つ月が照らす 星が私を殺しに降り立つ 嗚呼 ほら 蜂蜜の蕩けるような 綺麗な夜だよ |
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繰り返しの空。
アナタが捨てたものたちを
傍らで拾う人でありたい 拾い集めて継いで繋いで 優しさで縫い止めるように この指先で出来る事を アナタが捨てさせてきた命を アナタが託してきた命を 見も知らぬ彼らに繋がる糸を それは細い光に似ている 散った花弁が足元で腐っても 見上げる瞳には次の季節が 駆け抜けていく命の鮮やかさ 儚い死は美しくもない あの手に叩き潰され喰われてもなお 朽ちる事のない空の高さを 褪せる事のない海の記憶を 背負って抱いて歩いて繋いで また君に会えただろう 孤独など知らなかったように 名前を呼び合う声だけが 尊く響いてこだまする 風に巻かれた景色の先に 花霞に溶ける君 変わらない眼差しを懐かしむ 蜜柑の花の笑顔を見せて 瞳の色を憶えている 小さな掌の指の隙間から 沢山のものがこぼれ落ちていく それでも抱き寄せ この手で繋いで 空に還っていった綺麗な魂 星になったアナタを ここで待っているから 人はそれを愛と呼ぶ |
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八重に咲く。
あっというまに
こぼれていくだろ 花開くような気持ち 凍えた季節から春へと 雪の日に交わって 触れられてしまったから もうとっくに 許しているのよ 醜いままで 怒りを振り上げられたら 泣くより先に 振り下ろせたら どちらも気付かれないままで 無様に踊ってあげましょう ひび割れた指先でも アナタの温もりを拒めない 飢えたように夜ごと描いて それでも笑ってられるだろう 叩きつけるように貴様らへ 縋るようにアナタのそばへ 誰を殺して前を向くのか 汚れた手を知らないばかりだ 髪を梳く優しさを 雲の上から思い出す 耳朶を喰む唇を ベッドの中でなぞるように お花畑でスカート翻し 冠を貰った気分だわ つま先のばしてバレリーナ くるりと回って微笑みを 堕ちるのならば舞うように 花の夢を叶えてあげましょう 物言わぬ夜のように 道を示す月のように お気に召すまま犯して潰せ 届くはずもないのだから 何度だって思い知るだけさ 隠したままの子供 壊れる未来を憂いて噤む 心の真ん中にある花 綺麗な言葉だけ並べて 眼差しは確かに澄み渡る 誰が手をのべてくれるだろう 誰に手が届くだろう 鈴なりに揺れる問いは それでも歩みを止める事はなく 優しいだけじゃ満たされないって 強欲な地獄が咲き乱れてるよ 閉じた胸はちぐはぐにかけ巡るから アナタへだけに溺れたい 卯の花腐し 君を待つ |
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