終日の戯れ言。
終日せつりが書く、戯れ言が詰め込まれたページ。
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A Perfect Day for Bananafish
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死のう、と思う
どうやって死のうか、どこで死のうか、いつ死のうか 誰に何を、どんな言葉を遺そうか ごめんなさい ありがとう 大好きよ 愛してる ぐるぐるぐるぐる 褪せた色合いと篭った匂い 働かない頭の中を巡る もう終わろう、という衝動 でも、生きよう、と決意する瞬間の鮮烈さには敵わない 脳の中心を稲妻のように貫く 胸の真ん中を柔らかく染め上げる 気紛れみたいに舞い降りる覚悟が私を死なせない 逃げよう 受け入れよう 帰ろう 眠ろう そして、愛してる 外に出て顔を上げれば 目に沁みる鮮やかな色の洪水 瞬きする度に睫毛に宿る星屑 風が魂の中を通り抜けて 嗚呼、死のう、と胸に湧き出る想い 嗚呼、生きていこう、と呟く唇 手を取り合って幾星霜 こんな世界で、もううんざりよね 皆の中から私の記憶だけ盗み取れたら どんなに良いだろう 最初から私なんていなかった事になって そして消えてしまえたら 風がふんわりスカートを膨らませて駆け抜けていく 青空が高く透き通った、よく晴れた日 それが私にとっての最適の日 太陽に見守られ雲を眺め、凍えながら緑に抱かれて月を待つ そうして迎えるアナタの顔は どんな恐ろしい顔で私を連れて行くだろう 私が伸ばした手を握るのはどちらだろうか レテの河を渡る前に 愛あるアナタは間に合うだろうか ごめんなさい ありがとう 大好きよ 愛してる PR
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毒吐き姫。
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そんなような夢を見ていた時もあったけれど
私はお姫様でも ましてや魔女でさえもなかった 何度も見た王子様ごっこをする子供達 彼らに付き合って囚われのお姫様役 でもねぇ、結局、 王子様は途中で死ぬのよ ピカピカ光る心臓がお姫様の吐く毒に耐え切れなくなって ブリキの体は動かなくなっちゃうの 道端で見付けた素朴で可愛い村娘と 今頃花畑の陰で腰を振り合ってるわ 陽だまりの似合うお二人に祝福をあげる 地獄への階段を下りながら ヒールの音の数だけ愛を思い出すの もう毒を吐かなくても良いように 冷たい水晶の檻に閉じ込めて もう私を愛さないで もう私に愛させないで 痛い棘の芯が胸の奥に埋まったまま お姫様役は降板なの 少女でいさせて まだ初潮も迎えていないような 女である事に無頓着な 淫らな瞳と唇に花を 朗らかな笑顔で 柔らかな指先で 優しい嘘で汚してあげる 夜空に滲む月の光のように あなたの心に毒を染み込ませて 勘違いの愛の王子様を踊らせる 可哀想なお姫様はここよ さぁアナタは壊れてしまわないかしら 自分の毒に犯され一番怖がっているのは 本当は独りで突っ立ってる私なの 王子様じゃなくても構わない 私だけのあなたを待ってる ねぇ、助けて 藍色の衣で緋色のドレスを隠して 私を子供みたいに泣きじゃくらせて そしてそのまま心臓を貫いて |
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奇跡。
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君にあげよう
この痛く美しい世界に散らばる キラキラしたもの全て その瞳に映してあげよう 心が震えるもの全部 君の胸に触れさせてあげたい ささやかな午後の金色の空気も 大きな鯨のステージの飛沫も 瞬く星々の命と物語も 異国の言葉のサーカスも 手のひらの温度の伝わる幸せも 空の色より鮮やかに優しく 海原より深く果てしない 星の数でも足りないくらいの 夢のような愛をこめて 抱き締めるように君にあげよう |
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無花果の説。
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あの頃の蛹はまだ眠ったままだろうか
全てを融かして再構築して やっと羽を得る時期が来たのかもしれない 夜空の額縁に好きな花の色と宝石のような柄 禍々しい煌めきの鱗粉を振り撒いて 無花果の樹の枝に蝶の花を咲かせてやろう 楽園の中心で金色の空気の中 蛇の瞳に映る私の姿は硝子に封じられたよう 花弁の代わりに私の羽を 天使が与えた罰から解き放れた錯覚 その光景はどんなに醜悪だろうか さあ花を散らして実を結べ あり得ないはずの聡明なる果実 哀れに歪んだ赤い実は 熟れ過ぎて腐ったように 深く閉じた夢の如く甘いのか 全部アナタだけに食べて欲しいの とっておきの銀のナイフとフォークで切り分けて 滴る果汁まで余さず口移し 絡まる舌に浮かされる前に飲み込んで 愛してると新しい呪いの鎖で縛リ付けようか 駄目よ 世界で最初の男と女をなぞり 恥知らずなまま溺れないで 勇なる蝶の生んだ果実を食んで 手を繋いで旅も出来るだろう 新しい星座の誕生の御伽噺 鱗粉が描いた軌跡はきっと踊る刺繍模様 ヒールの音も高らかに 星空のスカートが捕まえた風 蝶の舞より軽やかに空を抜ける 花から花へと 鮮やかに繋いでいく 無花果の樹にも立ち寄って それはまるでキスのよう 優しさだけを残して飛び立つ 狂おしい蜜の味は私だけの 芳しい罪と宝物になるだろう |
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心の臓。
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この心臓はまだ動くだろう
その痛みが ほら、 赤黒い液体の巡る感覚だ 血と一緒に余計な心まで広がって 軋む音はどこから聞こえる? 手を差し伸べ触れてくれたのは やっぱり気紛れな幻想だったのか 強くあれと、あなただけは言わないで 弱い私の為にその身を投げ出して 銀のお皿の上にはあなたの心臓 ベッドの中であなたの胸に 私の毒を染み込ませて口移しで返してあげる 全部私のものになってね 歓びも痛みも全て私が与えてあげるの 余所見をしないで 手を繋いでいて いつも抱いていたいと囁いて 擽ったさに捩る首筋に口付けを 肌が触れ合い粘膜が混じり合う 境目など気にしなくて良いような そんな祭りの夜がやって来る 星の雨を無視して 朝日を食べる狼を呼んで頂戴 砂時計の瓶は粉々にしてやるわ 睦言の振動が私の心臓を動かす 必死になって私を生かす そんなあなたの姿が快感なの でもね あなたが全部私のものにならないなら 私あなたなんかいらないの 勘違いのお節介な勇者様 可哀想な女の子を放っておけなかった? 自分が救いになれるだなんて 傲慢な剣の捌きに笑っちゃうわ 中途半端な愛に酔って馬鹿みたい 涙の呼び声にさえ気付かない鈍感さ その場限りの約束を吐き散らして 何を気取っているのだか 私の悪い癖 あなたが欲しくて傷付けてしまう 言葉のナイフを振り上げ 心臓へとそのままグサリ 血を流したのはどちらの心だったか あなたが蒔いた薔薇の種 私が育てた薔薇の花 どんな花が咲いたかも知らずに 棘だけが胸の奥に居座る 花弁は微笑みのお茶会で砂糖漬けよ 醜い私の蜘蛛の巣の閨に 愛の言葉を伴って優しく犯しにきて そうしてまた、私の心臓を動かし巡らせて |
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